こんにちは!くまらぼです。
先日書いた『7SEEDS』32巻の記事。
いくつかコメントやメッセージもいただいたのですが、中には『7SEEDS』についての考察を書いてくださった方もいて、『7SEEDS』は本当にいろんな謎や伏線が絡み合っている壮大な物語だよなあと改めて思いました。
いただいたコメントには、僕も意識していなかったり忘れていたりした伏線などの考察もあって、もう一度最初から読み直してみたくなりました。
というわけで、もう一度最初の1巻から読み直していこうと思います。
『7SEEDS』を32巻まで読んだ状態での読み直しですので、ネタバレ等も入れていきますので注意してください。
それでは、まずは第1巻のストーリーと感想を書いていきます。
『7SEEDS』1巻のストーリーと感想
壮大な物語の始まり、目が覚めたら荒れ狂う海の上!
『7SEEDS』1巻の表紙はナツ。
青い地球を背にして立っています。
ナツの輪郭がぼんやりとしていて不思議な絵ですよね。
物語は、
「目覚めた時、君たちは天国にいるかもしれない 地獄にいるかもしれない。
どちらにせよ たくましく生き延びてくれることを願う」
という誰かの言葉で始まります。
漫画の始まりはナツが家族と一緒にごちそうを食べるシーン。
お祝いでもないのに好物ばかりのごちそうが出てきてキョトンとするナツ。
その時のナツが見た両親は、少しもの悲しそうに笑っている姿。
それがナツが家族と過ごした最後の記憶です。
次のシーンでは場面が切り替わり、ナツは真っ暗な空間にいます。
光が差し込み、突然現れる謎の女性。
牡丹姐さんの初登場シーンです。
改めて見たら、牡丹姐さんファンキーな髪型だなあ。
ナツがいたのはなぜか荒れた海の上。
最初は箱状の物体のなかにいたようなのですが、ビニールボートに乗り移ります。
同じボートの上には、ナツと牡丹の他に嵐と蝉丸もいます。
4人全員とも、なぜこの場所にいるのか分からないと言います。
ボートは流され、近くの島に漂着することに。
島でのサバイバルが始まります。
ナツの成長物語
32巻まで読み終えた時点で1巻を読み直して思ったのが、ナツって最初はこんな頼りなくてウジウジした性格の子だったのかということ。
物語を通して一番変わったのはナツかもしれないですね。
1巻の最初の方ではまったく自己主張できずにオドオドしているナツ。
蝉丸からは「おまえいじめられっ子だろ」と見抜かれてしまい萎縮します。
この頃の蝉丸は、かなり悪役っぽい雰囲気ですね。
この頃のナツの性格を表す印象的なシーンをいくつかピックアップします。
まずはヒルに首筋を噛まれたシーン。
ナツは体調が悪くなっても、みんなに訴えることができません。
誰かが気づいて心配してくれるのを待っています。
また、意見を聞かれる場面では、ハッキリ自分の意見を答えられません。
これに対して「わたしうじうじはキライなの」という牡丹さん、怖いです。
また、蝉丸に命令されて意味のない作業をしていたナツ。
何をしているのかと牡丹に聞かれた場面では、
「あなたバカなの?」とか「目を見て話をきいたらどう!?だからナメられるのよ」
と厳しい言葉を投げつけられます。
また、最初のころのナツの性格として「いい子ぶる」という部分もあります。
ナツと嵐は牡丹への疑惑を強め、牡丹のもとから逃げ出そうとするのですが、ナツは蝉丸にも声をかけようと言い出します。
ナツは蝉丸のことが苦手で、一緒にいたくはないのにこんなことを言っちゃうんですよね。
「あ…いやだ あたし『いい子』になってる」にというセリフが印象的。
嵐は「岩清水さん(ナツのこと)は優しいなあ」と言いながら、蝉丸に一緒に逃げようと声をかけることになります。
ところが、それに対して蝉丸はナツに、「おまえさ、そういうとこが嫌われるんだぜ。何考えてるのかわかんねえんだよ」と一言。
蝉丸は人の心、特にズルい部分や悪い部分を見抜く鋭さがあるんですよね。
このころのナツには正直苛立ちも感じますが、突然このような状況に巻き込まれた高校1年生の女の子だと考えると、これが普通かもしれないです。
ナツはこのあと様々な経験を重ねて力強くなっていくのですが、1巻のなかでも最初と最後の間でずいぶん成長しています。
牡丹から逃げ出した嵐とナツは、凶暴なネズミのような動物に襲われたり、巨大な食獣植物(ウツボカズラ)に襲われたりと危険な目に遭います。
突如現れた謎の男(百舌)に2人は助けられるのですが、このピンチを乗り越えて、ナツの表情も少し変わったような気がします。
最初は、大きな声を出せなかったり、「男の子を名前で呼ぶなんて初めてだ」と、嵐に話しかけることもできないかんじだったのが、嵐がウツボカズラに襲われそうになったときは、大きな声で「嵐くん!」と叫んでいましたからね。
一方、牡丹も、嵐とナツに逃げられたことで、「ダメじゃんわたし、失格だ…」と落ち込みます。
これは後に明かされるのですが、7SEEDSプロジェクトのガイドとしての役割失格ということですね。
牡丹さんは牡丹さんで、厳しく接することでナツをこの世界で生きていけるように鍛えようとしていたのです。
牡丹と蝉丸はナツたちを追いかけ、岩山に登ろうとしている嵐とナツを見つけます。
このときから、牡丹はナツのことを「ナッちゃん」と呼ぶようになっています。
牡丹とナツ、それぞれに変化が起こり、2人の関係性が変わったのでしょうね。
最後に牡丹は、ナツの手をしっかりと掴んで丘の上に引き上げるのですが、この時のお互いを見る表情は最初とまったく違うような気がしました。
1巻の内容だけでもずいぶん変化が起こったナツと牡丹なのでした。
第1巻の謎まとめ ~ 蝉丸は1億円で国に売られた?
第1巻にはいろいろな謎が出てきますね。
僕が気づいた謎を挙げていくと、
・この島はどこなのか?ナツたちはなぜこの島に来ることになったのか?
・牡丹は何者なのか?何を隠しているのか?
・謎の男は何者なのか?
・謎の男が言っていた「これは政府のプロジェクトだ」とはどういうことなのか?
・蝉丸が母親から聞かされた「おまえを一億で国に売ってやったわ」とはどういうことなのか?
などなど。
この中で、蝉丸が一億円で国に売られたという点については、32巻時点でもまだハッキリと解明されていませんよね。確か。
というわけで、以上、様々な謎を残した物語の始まり『7SEEDS』第1巻のストーリーと感想でした。